私事ですが、昔住んでいたアパートで家族ぐるみの付き合いをしていた人たちと再会する機会がありました。10年以上経っていまして、中には20年ぶりの方もいましたので緊張してしまいました。案の定、何を話せばよいのかわかりませんでした。
そのようなことがありましたので、今回は緊張について取り上げたいと思います。
なぜ緊張してしまうのか?
では、なぜ人前ですと緊張してしまうのでしょうか?
多くの方が陥っていると思いますが、大事な場面でほど緊張してしまい、中には失敗につながってしまうことがあるかと思われます。緊張や失敗をしないようにと考えれば考えるほど、緊張してしまいますよね。心臓の動悸や冷や汗、身体の震えなどの症状が生じます。
スポーツの局面では大事なところで極度に緊張し、本来のパフォーマンスが発揮でないこともあります。これによる体の震えや硬直などを起こす運動障害は“イップス”と呼ばれます。実は私も学生時代の部活の試合でこれに苦しんだ経験があります。とても辛かったですし、部活をやめてしまおうかと当時は悩みました。
緊張しない人はいない
生物学的に、動物は他の動物と目が合うと「襲われるもしれない」という心理が働きます。その結果、体が防衛できるような状態となるために緊張するのです。これが防衛反応です。
動物は本能的に備わっていると思いますが、人間であっても同じように人から見られている状況になると緊張するのです。これはごく自然な現象と言えます。
したがって、精神的に健常であれば皆同様に緊張します。つまり、緊張して「あがる人」と緊張して「あがらない人」の差があるだけなのです。
「あがる人」と「あがらない人」の差とは?~緊張のメカニズム~
人間に限らず、生物は自律神経が働きますが、これには神経伝達物質が関与します。交感神経や副交感神経などが自律神経ですね。この神経伝達物質の種類は複数存在します。今回取り上げている“緊張”を感じると神経伝達物質が分泌されます。その結果、集中力や身体機能などが向上し、様々な場面での高度なパフォーマンスを発揮することができます。これらを発揮するためには、緊張状態が必要だとも言えます。
しかし、神経伝達物質が過剰に分泌されてしまいますと、自律神経の制御機構に不具合が生じてしまいます。神経は興奮と抑制が働くですが、この2つのバランスが崩れてしまうのです。神経の興奮が過剰となります。
その結果、代謝機能の過剰として「顔面紅潮(赤面症)」や「発汗(多汗症)」が生じます。運動機能面となりますと、「震え」や「どもり」という症状が生じます。
緊張の度合いをあげてしまう要因とは?
緊張の度合いには人それぞれ差がありますが、緊張しない人はいないということは上記で述べました。では、なぜ緊張を増加させてしまっているかを明確にさせなければいけないこととなります。それは緊張を増加させてしまっている不安要素を付け足してしまっていることこそが原因です。
今回はここまでとします。次回、その不安要素について取り上げていきたいと思います。