最近、毎日のように
北朝鮮の金正男氏が亡くなられたことに関するニュースが報道されているかと思います。
事件が起きたのは2017年2月13日でした。
そしてマレーシア警察の解剖結果により、VXガスが使用されたことが判明致しました。
VXガスを皆さんご存知でしょうか?
私はVXガスという言葉に聞き覚えがなく、まったくわかりませんでした。
そこで、
どのようなものかという詳細を調べてみたいと思います。
vxとは
VXガス(ブイエックスガス)は、
人類が作り出した化学物質の中でも最強とされている
猛毒の神経ガスの一種だそうです。
サリンなどと同様、コリンエステラーゼ阻害剤として作用します。
科学名は
「O-エチル-S-(2-ジイソプロピルアミノエチル)メチルホスホノチオラート」。
VXガスの特徴
常温では揮発性が低いのが特徴です。
琥珀色を呈した無味無臭の油状の液体となっております。
水には溶けにくい性質を持っております。
人の体内へは呼吸及び皮膚の付着で吸収されてしまいます。
それにより健康障害を引き起こします。
科学的性質としてVXガスはが安定しております。
そのため、
一度使用されると一週間ほどVXガスは散布空間へ留まり続けてしまうのです。
これはとても恐ろしいですよね。
そして、木材や衣類などに付着した場合においては、
さらに汚染が続きます。しかも長期に及びます。
接触しても汚染されるため、ガスマスクのみでは対処できないようです。
VXガスの恐ろしいところは
高い致死性だけではありません。
先ほど述べましたが、VXガスの特徴である
“科学的に安定している”ということ。
これにより、被害が拡大しやすいという最悪な点です。
症状
VXガスの中毒症状は以下のようになっております。
・痙攣
・嘔吐
・呼吸困難
・意識障害
・心肺停止
様々な症状ですよね。
しかも、
症状の出現の仕方が突然です。
VXガスを浴びてしまった者は
気づく間もないほどだそうです。
重度の中毒となりますと、
数分内には突発的な痙攣と心肺停止を起こしてしまうということです。
実際に今回ニュースで報道されている中では、
毒を受けた直後は平然と歩いておりましたが、
十数分もしない間に意識消失し、中毒症状が発症していましたね。
半数致死量は
体重1kgあたり0.02mgとごく少量です。
例を挙げますと
体重60kgの人の場合
皮膚にVXガスがたった10mgほど付着しただけでも死に至るようです。
このVXガスが兵器として散布されるようなことがあれば
11L(リットル)もあれば100万人中50万人へ影響し、残りの50万人が重体となります。
たった11L(リットル)...
日本の人口は
1億2683万人ですので(2017年2月1日現在の概算値だそうです)
約1400Lで壊滅状態になるということです。
あくまで計算上ですが。
対策
この最強レベルのVXガスですが、
中毒者に対する治療についてです。
このVXガスの治療には、
・プラリドキシムヨウ化メチル・通称PAM(パム)
・アトロピン
これらが用いられます。
そしてなんと
適切であれば回復できるそうです。
特徴のところで述べましたが、
水には溶けにくいため性質となっております。、
そのため、汚染された場所は科学洗浄が必要となるようです。
まだまだ、今回の事件の報道は続くでしょうが、
今後の最新情報に注目していきたいと思います。